私にとって映画におけるリアリティというのは必ずしも「現実的」とか「事実に即して」という意味ではありません。この作品のように実話を基にしているという事を作品の冒頭で観客に伝えているのも作品にリアリティを加える為の一要素としか捉えていません。ですから、たとえ荒唐無稽な内容であっても脚本と演出で強引に観客を引き寄せる事が出来れば「リアル」は作れるのです。５０年近く前の作品であるスピルバーグの『ジョーズ』もそういう作品でした。歳がバレますが当時小学校低学年の私は母に連れられ映画館で鑑賞したのですが映画館を出た時には全てのシーンと台詞が頭に入っていて、家に帰った後父に事細かく映画の詳細を説明して驚かれたのを覚えています。もちろん映画史上の傑作の一つである『ジョーズ』とこの作品、才能の塊であった若きスピルバーグとこの作品の制作陣を比較するつもりはありませんが、比較せずともこの作品の脚本と演出は絶望的なまでに低レベルです。登場人物の台詞だけ抜き取ってみてもこの脚本家に才能の欠片さえないことが分かります。現代においてはYouTubeで簡単にワニを含め様々な野生動物の捕食シーンやその生態を見ることができます。家に居ながらにして、もはや現代人の多くにとって非日常ともいえる大自然の驚異や残酷さ、そしてもちろん美しさも（そのほんの一端で尚且つ画面の向こうではあるが）目の当たりにすることができます。ですがこの映画では大自然の驚異のほんの一端ですら表現することに失敗しています。現実に映画の「リアル」が負けるのは当然だと思っている方がいるかもしれませんが、それは違います。繰り返しになりますが、優れた脚本と演出で観客を引き込む「リアル」は作れるのです。さて、この映画にご出演して下さったワニさんは、この陳腐でご都合主義な脚本と演出に全編通して実に大人しくお行儀よく演技して下さっております。撮影には本物のワニさんを使ったらしいが、その事実が滑稽に思えてしまえる程にこの映画にはあらゆる意味での「リアル」が無い。実話を基に現実に即したリアリティも無く、映画ならではの想像力が発揮されてもおらず、つまり見所がないのだ。もう少し期待していたのだが。ここから先は余談になりますが、若い映画ファンでまだ『ジョーズ』をご覧になってない方は是非ご覧になって下さい。映画ファンとしての最低限の教養にもなりますし、この作品には映画作りの基本が山程に詰まっています。この一本の映画を徹底的に分析すれば優れた映画とはどのように作られているかの大部分が分かると言っても過言ではありません。

2023/06/04

結婚する前に(そうじゃなくても)是非に見ておきたい作品。相手の事を大切に思うなら尚の事見るべし。結婚した後の人間関係が心に突き刺さって来る。人は成長できる。周りが成長を止めてしまったら自分が成長し続ければ良い。一番近くにいてあげられるのはあなたなのだから。

2023/06/01

“文芸エロスの名作「O嬢の物語」を大胆に翻案し、究極のエロティシズムの迷宮へと誘う・・・”とのことでしたが、う～～～～む、やはりこれは難解で今ひとつだったかなぁ。官能ドラマらしいですが、迷宮という邦題があるように、まさしく迷宮で、わけがわからん・・というところが多かったです。最近かなり好きになってるマチュー・アマルリックご出演とのことで借りたんですが、予告編を観て想像してたよりもかなりエロチックな映像が多かったです。しっかりボカシ入ってる画面がた～くさん。　でも、内容はエロチックかというとそうでもなかったんですよね～。映像はすごくエロチックな場面がたくさんあるんですが、内容は全然そういう気分になれない・・というものでした。時間は短くて良かったけど(73分)、こう訳がわからないエロチシズム（？）を見せられても、困ったなぁ～・・という感じでした。でも、良かったところは、こういう役でも、マチューが子供っぽいというか、子供みたい～、と思える顔をしてるところだったかな。彼の目から額にかけてが、どっかまるで子供、と　自分には思える可愛らしさがあって好きなんですよね～。でも、何故かこの映画での彼は、くすんだピンク色のようなズボンをはいてるんですが、ほとんどのシーン、そのズボン一本なんですよね～。他のズボン持ってないんかい！って思いました。良かったのは、パリの風景が綺麗だったこと。あ～、ここにも行きたい、ここも観てみたい、と思える街の風景がたくさんありました。

2023/05/28

怖いサスペンスホラーと思ったら、ホラーコメディで楽しめました途中の挿入歌の一つは、お笑い芸人の「２７００」を思い出した(笑)

2023/05/28

いきなり出てきた架空のアイテムが架空の効果を発揮して状況が進む…ってのが延々続くとと白けてくる。難民星人が故郷復活のためにやってるミッションがまさにその集大成で何だかよく分からないけど良かったッスねとしか言いようがない。SFガジェット固めによる「XXをXXXしてXXXXXった！作戦成功だ！」みたいのはダメという意味の事を筒井康隆さんが書いていたが、まさにその悪例を地でいくような映画だった。

2023/05/27

とにかく面白い！何度も観れる作品です。スピード感あり、世情の作品への転写も程よくて楽しめる事間違いなし!と!段々迫力アップするのが〜少し気になります（笑）

2023/05/25

2度目の鑑賞。再び観ても設定の斬新さに感嘆する。

2023/05/22